野望をかなえるために
首陽大君が暴挙に出なければ、15世紀なかばの朝鮮王朝は、他のどの時代よりも平和で静かな時期であったことだろう。
しかし、現実はまったく逆になった。
首陽大君が王位に執着して政敵を徹底的に排除したことによって、朝鮮王朝は血で塗られてしまった。
すべては、首陽大君が野望をたぎらせたことが原因だった。
そうした野望をかなえるためなら、首陽大君は手段を選ばなかった。
当時、兄が在位2年で世を去ったあとに王位に就いたのは、首陽大君の甥の端宗(タンジョン)だった。
まだ11歳である。
叔父であるならば、首陽大君も王族の一員として幼い甥をしっかり補佐するのが役目であった。
しかし、首陽大君はそうしなかった。
むしろ、反逆した。
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首陽大君(スヤンデグン)は強い野心で世祖(セジョ)になった!
世宗(セジョン)の願いをふみにじった世祖(セジョ)の王位強奪!