尹元衡(ユン・ウォニョン)は、13代王・明宗(ミョンジョン)の母親である文定(ムンジョン)王后の弟である。彼は、姉の力によって強い権力を手にして政治を牛耳っている。果たして、尹元衡が歩んだ人生とはどんなものだったのだろうか。
鄭蘭貞との出会い
11代王・中宗(チュンジョン)の三番目の王妃である文定王后には、慶源大君(キョンウォンデグン)という息子がいた。
彼女には、自分の息子を何としてでも王にしたいという野望があったが、それは難しかった。
なぜなら、中宗の二番目の王妃だった章敬(チャンギョン)王后の息子が世子(セジャ/王の後継者)に指名されていたからだ。
しかし、文定王后は諦めなかった。
そんな彼女の手先となって動いたのが、「朝鮮王朝三大悪女」の1人である鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)である。
鄭蘭貞は、尹元衡の妾となった女性だ。2人はどのようにして出会ったのだろうか。
鄭蘭貞は母親が最下層の身分である奴婢だったことから辛い生活を強いられていた。彼女は権力のある男性を求めて妓生(キーセン)となった。
そのときに、出会ったのが尹元衡である。(ページ2に続く)