息子への遺言
貞明公主の夫の洪柱元(ホン・ジュウォン)は66歳で世を去った。貞明公主は、愛する夫との別れをとても悲しんだ。
1682年に79歳になった貞明公主は、自分の人生がもう長くないことを感じ、息子に次のような文を贈っている。
「私が願うのは、お前たちが他人の過ちを聞いたときに、まるで父母の名前を聞いたときのように耳だけにおさめて、口では言わないということだ。他人の長所や短所を取り上げるのが好きだったり、政治や法令を途方もなく言い争ったり……そんなことはとても憎むべきことである」
この文を読めば、貞明公主が息子のことを心配する心優しい母親であることがわかる。その貞明公主は、1685年に82歳で世を去った。
若いときには数々の悲劇に見舞われた彼女だったが、晩年には多くの幸せを感じることができただろう。
文=康 大地(コウ ダイチ)
仁穆(インモク)王后はどうしても光海君(クァンヘグン)を斬首にしたかった!