チョゴリの美しさに目を奪われていると、足元までなかなか目が行かないのだが、朝鮮王朝時代の王族女性は、足元を美しく飾ることに気を配っていた。その中で、どんな演出がなされていただろうか。
コッシンとポソン
古来、足元は女性の秘められた魅力を現わす部位だった。
特に、韓服のチマ(スカート)の下からのぞき見える白いポソン(足袋)をはいた足は、まぶしいほどに美しい。
足元をより引き立たせるために、ポソンを包むシン(履き物)には多様な飾りが加わっている。
そんなシンだが、足の前部を主に飾る点では共通している。
「コッシン(花の履き物)」という別称をもつシンは、足の甲を除いた全体をくるむ形で、刺繍や文様などを飾る。
足を運ぶたびにチマの下からほんの少し現われ、前部を少し尖ったように上げることで、足を小さく見せると同時に花のつぼみのように美しくもしてくれる。
シンと同じくポソンも前部を強調し、シンをはかなかったときでも歩みが美しく見えるように飾られている。
こうして見ると、韓服の足元を彩るコッシンとポソンもまた、自然な形で女性の魅力を演出していた。