不可解な昭顕世子(ソヒョンセジャ)の急死/朝鮮王朝歴史全集11

清への復讐を誓う

仁祖の暴挙は続きます。彼は、「自分を毒殺しようとした」という嫌疑をかけて、昭顕世子の妻を死罪にしています。そこまでして、仁祖は昭顕世子の家族を滅ぼしたかったのです。
この仁祖は1649年に世を去り、鳳林が17代王・孝宗(ヒョジョン)として即位します。
彼の諡には、朝鮮王朝が生活規範の中で最も重視した「孝」が入っています。息子としては、最高の名誉と言えるかもしれません。




実際、孝宗は父の屈辱を晴らそうとしていました。
清への侵攻をずっと狙っていたのです。
しかし、財政事情がそれを許さず、結局は40歳で世を去るまで満願を成就できませんでした。
それで良かったのかもしれません。
清は明に代わって中国大陸を支配する大国になっており、朝鮮王朝が太刀打ちできる相手ではなかったのです。
(次回に続く)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康熙奉(カン・ヒボン)著『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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