古代を記した歴史書「三国史記」「三国遺事」とは何か

古代を描いた時代劇の難しさ

「三国史記」と「三国遺事」を合わせると、古代の朝鮮半島の様子がある程度はわかってくる。
ただし、両書とも編纂された時期が12世紀や13世紀。それでいて紀元前のことも書いている。
「千年以上も前のことをどれだけ正確に書けるのか」
そういう疑問は残る。




とはいえ、現在私たちが朝鮮半島の古代のことを知ろうとすれば、この「三国史記」と「三国遺事」を手掛かりにするしかなく、古代を描いた時代劇をつくるときも事情は同じである。
それだけ時代劇の制作者たちは歴史研究家なみの識見を求められる。
特に頭を痛めているのが、登場人物たちの衣装である。これはほとんど文献が残っていない。
したがって、古代の古墳壁画など一部の残存する遺跡から類推して細かい衣装をつくっていかなければならない。
その苦労は並大抵ではないだろう。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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