脇役が重要
三番目の特徴は、多彩な脇役陣を使って人間のペーソスを描くということだ。
イ・ビョンフン監督のドラマには、必ず道化役的な人物が出てくる。
その人たちは、主人公を取り巻きながら、ストーリーの中で人間の素直で泥臭い部分をどんどん出していく。
ときにはコミカルな描き方をしながら、人間の多様性を描いていくのがイ・ビョンフン監督のやり方だ。
実際、そういう脇役たちによってドラマは大きく動いていく。そういう意味でも、イ・ビョンフン監督は脇役の使い方がうまい。
以上のように、「歴史的な史実をドラマに取り入れること」「主人公が苦労して成長していくサクセスストーリーであること」「豊富な脇役陣で人間関係を巧みに描くこと」がイ・ビョンフン監督の3つの演出法だと言えるだろう。
そのスタイルは、『オクニョ』にも十分に受け継がれている。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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