主役カップルが良かった
キム・ジョンミン監督が続けて熱く語る。
「歴史というのは、現実との接点を持っています。どうしてこの時期に首陽大君の話をまたしたのか。それは、韓国社会が最近、民主的な部分で後ずさりしているという問題意識があったからです。そういう意味で私は脚本家たちにも“どうして今の時代にこういう時代劇を作るのか”という意識を持っていてほしかったのです」
確かに、首陽大君は非道な形で王位を奪い、抵抗した死六臣は処刑されている。そうした不条理を現代に知らしめる役割を『王女の男』が果たしているのだ。
しかし、ドラマは教訓だけでは成り立たない。やはり、そこには視聴者を引きつける魅力が必要だ。その点では、パク・シフとムン・チェウォンという主役カップルの演技がとても良かった。
禁断の愛に燃える朝鮮王朝時代の男女を2人が情熱的に演じてドラマを盛り上げていた。そういう意味では、多くの人の熱意と工夫によって『王女の男』は傑作の仲間入りを果たしたのである。