『テバク』はいつの時代を描いているのか

 

チャン・グンソクが主演した『テバク~運命の瞬間(とき)~』。朝鮮王朝時代で一番面白い時代を描いた大型時代劇なのだが、ドラマをもっと楽しく見るために、歴史的な背景について説明しよう。

重要な役割を演じる人物

『テバク』の物語は、朝鮮王朝19代王・粛宗(スクチョン)の統治時代から始まっている。第1話で淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏が粛宗に見初められるが、歴史的にそれは1692年前後と想定される。
さらに、『テバク』の全話が描く時代は、1690年代から1720年代までとなっている。




物語の序盤で重要な役割を演じるのが淑嬪・崔氏だ。彼女は、ドラマ『トンイ』の主人公になった女性である。そして、21代王・英祖(ヨンジョ)の実母だ。
王宮で水汲みや洗濯などの下働きをする女性(ムスリと呼ぶ)として宮中に入ったと言われているが、歴史的にその事実は確認されていない。生まれたのは1670年とされているのだが、なにかと謎が多い女性である。
そんな淑嬪・崔氏と敵対するのは、悪女として有名な張禧嬪(チャン・ヒビン)。1688年に粛宗の長男を産んでおり、1689年には側室から王妃に昇格している。『テバク』では張禧嬪が淑嬪・崔氏を徹底的にいじめるが、それは他のドラマと描き方が同じ。ただし、政治的には淑嬪・崔氏のほうが裏でいろいろな工作をしていたと推定される。淑嬪・崔氏も、『トンイ』で描かれたような「人の良い女性」ではなかったのだ。(ページ2に続く)

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