『王女の男』は「韓国時代劇の屈指の傑作」と呼んでも違和感がないほどの出来ばえだった。果たして、このドラマの魅力は何だろうか。『王女の男』のメガホンを取ったキム・ジョンミン監督が、このドラマの真髄について語っている。
朝鮮王朝版ロミオとジュリエット
改めて、『王女の男』の人気ポイントを取り上げてみよう。
キャスティングの見事さ。
史実をたくみに取り込んだストーリーの面白さ。
心が躍るような画面の華やかさ。
各場面に臨場感を与える挿入音楽の効果……。
『王女の男』には細部に至るまで制作陣の創意と工夫が込められていた。
このドラマを演出したキム・ジョンミン監督は、制作が成功した要因を次のように分析している。
「まずは、“朝鮮王朝版ロミオとジュリエット”という構造にあるのではないでしょうか。これは普遍的な話です。仇の家同士の息子と娘が愛し合い、2人の愛に最大の障害があるという基本骨格は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のように、人気を呼ぶことができる構造だと思います」(ページ2に続く)