力強い筆跡
不自由な暮らしの中で、仁穆王后が紙と墨を用意してくれたので、貞明公主は常に薄暗い部屋で「書」に没頭した。
彼女は素晴らしい才能を持っていた。貞明公主は筆を奔放に操って、力強い「書」を残した。
その中で特に有名なのが「華政」と書かれた「書」だ。
意味は「華やかな政治」である。
貞明公主は不遇の日々を過ごす中で、いつも母と一緒に「華やかな政治」を夢に見ていたことだろう。
貞明公主を主人公にしたドラマ『華政(ファジョン)』も、この文字をタイトルにしている。本当に力強い筆跡だ。
幽閉中でも人生に前向きに取り組んだ貞明公主。彼女がようやく解放されて王女に戻ったのは、仁祖(インジョ)がクーデターを成功させて光海君を王宮から追放した1623年のことだった。
貞明公主は20歳になっていた。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
貞明公主(チョンミョンコンジュ)の危機!仁祖に執拗にいじめられた