今の韓国の都はどこ?
1794年2月から建設工事が始まり、周囲6キロの城郭は2年6カ月で一応の完成をみている。
しかし、あまりに莫大な経費がかかりすぎた。
築造に動員された人数もケタ違いだった。
正祖の親思いが極まって始まった大きな事業であったが、国家財政を苦しくさせたのは確かだった。
それでも、正祖は水原の都市整備を着々と進めた。
彼は間違いなく、水原に遷都するという計画を持っていた。
しかし、正祖は1800年に48歳で急死してしまい、自らの壮大な夢を果たすことができなかった。
正祖があと数年長生きしていたら……。
都は水原に移っていただろう。
そうであったなら、今の韓国の首都はきっと水原になっていた。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
正祖(チョンジョ)の改革をつぶした貞純(チョンスン)王后/朝鮮王朝歴史全集16