偉大な文字
19世紀末、26代王・高宗(コジョン)の時代にようやく「訓民正音」は「国文」として広く使われるようになった。
さらには「ハングル」という名で呼ばれ始めた。これには“偉大な文字”という意味が込められている。
民族独自の文字を作った世宗に対する評価が飛躍的に高まり、彼は韓国で最も尊敬を集める歴史上の大人物になった。
その名声は世界にもとどろいていて、イギリスの出版社が2011年7月に出した「言語と言語学の50大重要思想家」の中に世宗が選ばれている。
つまり、ハングルの創製は、世界の言語思想発達史の中でも大変重要な出来事だったという評価を受けているのだ。
こうした事実は、実際にハングルを使用している韓国の人たちの自尊心を大いにくすぐることだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。
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