『王女の男』は、史実と創作をうまく融合させて、巧妙なストーリーになっていた。脚本を担当したのはチョ・ジョンジュとキム・ウクの2人。ともに新人脚本家だったが、大御所なみの力量を発揮して評判になった。
違う見解から近づいていく
『王女の男』は朝鮮王朝時代の1453年に起こった癸酉靖難(ケユジョンナン/世祖〔セジョ〕が甥の端宗〔タンジョン〕から王位を奪うために決起したクーデター)を題材にしている。
この『王女の男』の大成功によって、チョ・ジョンジュとキム・ウクという2人の脚本家は、大いに評価を高めた。
この2人は、どのように『王女の男』のストーリーを作っていったのか。その創作過程を見てみよう。
まず、キム・ウクは『王女の男』のストーリー上の骨格を次のように説明している。
「皆さんがよく知っている歴史的事実に対し、違う見解から近づいていくのが面白かったですね。でも、だからこそ大変でした。他のドラマは、一度弾力がつけばその力で最後まで行けますが、私たちのドラマは、歴史的事実にストーリーを味付けしなければならなかったので、物語を少しずつ進行させることにしました。その点が、脚本を書くうえで本当に難しかったですね」
共同執筆者のチョ・ジョンジュがキム・ウクの説明に付け加えた。
「歴史の隙間をさがしだそうという考えで執筆しました。実際には、歴史上の大事件を本当に体験したとすればどうだっただろうか、と想像してみました。すでに起こっている歴史を扱っているので、すべてを新しく作る作業ではありませんでしたが、事件の合間の欠けている部分を埋め合わせることが面白かったですね」(ページ2に続く)
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