薬に対する疑念
李時秀が言った。
「医官たちと一緒に煎じ薬について話し合います」
正祖がこう返答した。
「キョンオッコ(薬の名)は昨日も服用したが、こんな蒸し暑い時期には効果があまりない」
以下、次のような問答があった。
李時秀「キョンオッコはゆっくりと養生するときの薬ですから、すぐの効果を期待するのは難しいようです。他の煎じ薬と一緒に服用するのがいいでしょう」
正祖「今後は病状にすぐ効く薬を使ったほうがいい」
李時秀「お食事はどのくらい召し上がっておられますか」
正祖「食欲がますますなくなっている」
李時秀「煎じ薬をすぐに決めてまいりましょうか」
正祖は李時秀の言葉にうなずいたが、病状が良くならないので薬に疑念をもっている様子がありありだった。(ページ3に続く)
朝鮮王朝実録を読む4/「正祖毒殺疑惑」
英祖(ヨンジョ)と正祖(チョンジョ)!激動の朝鮮王朝史8
英祖(ヨンジョ)は思悼世子(サドセジャ)を米びつに閉じ込めるとき何を語ったか