物語に命を吹き込む豪華出演陣の熱演
前述のように、主演のイ・ビョンホンにとって、本作は初の時代劇。しかも、王と庶民という1人2役への挑戦となった。権力の頂点に立つ15代王・光海君にはカリスマ性と孤独、その影武者となる道化師ハソンには正義感と忠誠心、そしてユーモアが求められた。ある意味で、今回の役には、これまで出演してきた作品の集大成ともいえる演技力が必要とされた。
映画『G・I・ジョー』で世界の映画ファンに与えた強烈なインプレッション、『グッド・バッド・ウィアード』で見せた強烈なカリスマ性、『悪魔を見た』では婚約者を失った刑事、ドラマ『IRIS-アイリス-』の冷静で男らしい秘密工作員…。そのすべてのエッセンスが、今回の演技に結実している。
王と影武者の2人から寵愛を受ける王妃役を演じたのは、トップ女優ハン・ヒョジュ。彼女は、ドラマ『華麗なる遺産』で演じた厳しい環境の中でもポジティブに生きるウンソン役から、時代劇ドラマ『トンイ』の賢くて心が温かいトンイ役まで、現代的な魅力と古風な美しさを兼ね備えた清楚な演技で愛される人気女優だ。
『トンイ』に続く王妃役となる本作では、周りの陰謀で性格が歪んでいく王・光海君の姿を前に誰よりも苦しみ、ある日突然やさしくなる光海君に触れると、再び明るさを取り戻していく、という心の変化を、女性らしい繊細な演技で観客を魅了する。
忠臣ホ・ギュンを演じるのは、映画『私の妻のすべて』に出演したリュ・スンリョン。大胆かつ冷静な演技で、王を作る「キングメーカー」という重要な役を生き生きと躍動させた。
一方、王の正体が影武者であることを知りながら、自身の信念と宮廷の現実との間で悩みながらハソンを見守るチョ内官(ネグァン)役は、映画『トガニ 幼き瞳の告発』で双子の校長という悪役を演じて話題となったチャン・グァンが演じ、独特の存在感を見せている。
以前とは違う光海君の姿に誰よりも早く気付くト部将(ブジャン)は、映画『マイウェイ 12,000キロの真実』のキム・イングォンが、複雑な家庭環境を背負った毒見役の少女サウォルは、映画『サニー 永遠の仲間たち』に主演したシム・ウンギョンがそれぞれ演じ、ともに感動的な印象を残している。(ページ3に続く)
光海君(クァンヘグン)と仁祖(インジョ)の激闘1
光海君(クァンヘグン)の廃位!激動の朝鮮王朝史7