ベースとして知られる「アラン伝説」とは…
「アラン伝説」とは、今から400年ほど前の民話である。
慶尚道(キョンサンド)の密陽(ミリャン)には、すべての男性が憧れる才色兼備の阿娘(アラン)という娘がいた。ある日の月夜、彼女はペクという男に告白されるが、断ってしまう。
そのことに怒ったペクは、手にもっていた短刀で、アランを殺してしまうのだ。
一方、「娘が駆け落ちしてしまった」と勘違いしたアランの父親は、郡守を辞任する。その後、密陽にやってきた郡守はみな、アランの怨念により死んでしまうこととなる。
そんななか、李上舎(イ・サンサ)という人物が郡守として赴任してきた。
赴任の日の夜、李上舎の目の前にアランが現れる。彼女を見た李上舎は、その姿からアランがひどい死に方をした事実を知る。2人は協力して、犯人であるペクに白状させることに成功する。アランの恨みを見事に晴らした李上舎は彼女の骨を埋葬した。するとアランは魂と体を取り戻し、成仏したという。
なお現在の密陽には、明宗の時代(16世紀)に建てられた阿娘閣という祠堂が残っている。(ページ4に続く)