朝鮮王朝の王は、すべて李(イ)という姓を持った男子。本貫は全州(チョンジュ)である。この本貫というのは、一族の始祖の出身地のことで、その一族の流派を示す重要な身分保証となるものだ。
初代王が育った場所
わすりやすくいえば、朝鮮王朝の王は「李」という姓と「全州」という流派を持った一族ということになる。
1392年に朝鮮王朝を作った初代王の太祖(テジョ)は、朝鮮半島東北部の咸興(ハムン)で生まれ育っている。
彼の数代前までは先祖も朝鮮半島西南部の全州に住んでいたのだが、ある先祖が女性問題で高官から睨まれて故郷を追われることになったのだ。それで太祖は咸興の出身となっている。
咸興といえば、当時は辺境。そんな田舎で育ったことで、太祖はたくましい男子に成長することができた。(ページ2に続く)