1762年5月22日、イ・ソン(思悼世子〔サドセジャ〕)が住む東宮で働く羅景彦(ナ・ギョンオン)が「世子が謀反をたくらんでいます」と訴え出てきた。報告を受けた英祖(ヨンジョ)は驚愕し、イ・ソンを呼びつけた。
恐ろしい形相
イ・ソンが英祖の寝殿に入ってきて前庭で平伏した。
英祖はイ・ソンを叱りつけた。
「お前は本当に、王の孫の母(イ・ソンの子供を産んだ側室をさしていると思われる)を殺したり、宮中を抜け出して遊び歩いたりしているのか。世子なのに、どうしてそんなことができるのか」
イ・ソンはただ地面に伏してうなだれているしかなかった。
英祖の怒気を含んだ言葉が続く。
「側近の者たちが余に何も知らせなかったが、もし羅景彦がいなかったら、余がどうやってそれを知ることができたのか。王の孫の母は余も大変気に入っていたのに、どうして殺したりしたのか。こんなことをしていて、国が滅びないとでも言えるのか」
英祖は恐ろしい形相だった。(ページ2に続く)
イ・サン(正祖〔チョンジョ〕)は本気で都を水原に移そうとした!