『トキメキ☆成均館スキャンダル』は、22代王の正祖(チョンジョ)の治世時代が舞台になっている。高等官僚の登用試験である科挙に挑む若者たちの青春群像が描かれるが、彼らの学び舎になっているのが成均館(ソンギュングァン)。朝鮮王朝時代に儒教教育の最高峰と称された学校だが、成均館は現在でも“韓国最古の大学”として名門校の地位を不動にしている。
不正がはびこっていた
『トキメキ☆成均館スキャンダル』では、良家の師弟たちが科挙に受かるために、あらゆる姑息な手を使っていた。カンニングはもちろん、替え玉受験も常套手段だった。
しかも、本来は厳しく監視すべきはずの試験官も、見て見ぬふりをしていて、実力者の息子には卑屈な態度に終始する有様だった。
職務を全うすることより出世のためのゴマスリに徹するから、そういう情けないことになってしまう。
ドラマ自体はフィクションだが、『トキメキ☆成均館スキャンダル』は朝鮮王朝時代の堕落した官僚制度をありのままにイメージさせてくれる。腐敗を監視するマスメディアもない時代だから、官僚の一部は確かにやりたい放題だったのだろう。
こうした官僚を選抜する国家的な試験だった科挙。本家の中国にならって朝鮮半島でも高麗王朝時代から採用されていたが、朝鮮王朝になってからはさらにこの試験制度を強化し、科挙に通らないと栄達が望めないと言われるほどの学歴社会になった。実際、才能ある者はみんな科挙の合格を目指した。(ページ2に続く)