なぜ朝鮮王朝を舞台にした時代劇は刺激的なのか(後編)

光海君の功罪

当時、衰退していく明と強くなっていく後金の2つの国が争っていました。
もともと朝鮮王朝は明という国を大事にしており、朝鮮出兵のときにも援軍を送ってもらっています。
後金が強くなってきたときに明は、『朝鮮出兵のときにお宅の国を助けたのだから、今度は助けてくれ』ということで、援軍を要請してきます。一方の後金は『俺たちのいうことを聞け』と言ってくる。




朝鮮王朝としては、明に恩返しをしたいけど後金を怒らせてはいけないということで、本当に上手く立ち回っていました。それは光海君の外交術が優れていた結果です。
その一方で、自分が王になる過程で光海君は兄と弟を殺しています。これで多くの恨みを買って、クーデターで王宮を追われました。
それが1623年の仁祖反正(インジョパンジョン)です。本来ならクーデターなので反逆罪になります。でも、成功させた人たちは自分たちのやったことを正当化したいわけですから、『王様が悪いからやむにやまれずクーデターを起こしました』と主張し、当然ながら光海君は悪者にされます。(ページ4に続く)



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