なぜ朝鮮王朝を舞台にした時代劇は刺激的なのか(前編)

怪物のような女性

張禧嬪に続いて興味深いのが、21代王・英祖(ヨンジョ)の二番目の正室だった貞純(チョンスン)王后です。
彼女は、22代王・正祖(ヨンジョ)が1800年に亡くなったあとに、10歳の23代王・純祖(スンジョ)の代理で政治を仕切ります。
そのときにカトリック教徒を大弾圧しました。さらに、正祖がやろうとした改革を全部潰して、彼が登用していた優秀な官僚たちを罷免して、自分の息のかかった人たちを政権中枢に送りこみました。これは、正祖がやろうとしたことと全部反対です。




結局、貞純王后は摂政を4年間やって5年目に死にますが、その後を継いだ純祖の正室である純元(スヌォン)王后が自分の実家の一族を登用して政治を牛耳っています。
このように、19世紀前半の朝鮮王朝は、貞純王后と純元王后という2人の怪物のような女性に政治を独占されました。こうした歴史もまたドラマの題材になります。

文=康 熙奉(カン ヒボン)



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