今も脚本家の世界は徒弟制度
日常の生活感覚を生かせる現代劇は、当然ながら女性脚本家の得意な分野だが、歴史の裏付けが必要な時代劇までも女性脚本家が席巻している。なぜ、韓国では女性脚本家の活躍がこんなにも目立つのか。
そこには、脚本家の世界の独特な仕組みが関係している。
というのは、韓国で脚本家になるためには、まずは著名な脚本家の弟子にならなければならない。
そうした徒弟制度の中で経験を積むことが先決なのだ。
しかし、「弟子」というのは無報酬である。
それを何年も続けなければならない。一家の家計を担う責任がある男性が、無報酬をずっと続けていくのは難しい。
そこで、結婚してすでに家庭に入っている女性が「弟子」になる割合が非常に高くなってくる。
その中で辛抱してプロ修業を続けてきた女性が、師匠の口利きでチャンスをつかみ、脚本家としてデビューして才能を開花させている。
さらに、好循環が生まれている。
著名な女性脚本家が数多く出てくると、それに刺激されて脚本家をめざす女性も増えてくるのである。(ページ3に続く)