時代劇の常識を変えた！
『ホジュン』がこれだけのヒット作になったのにはちゃんとした理由がある。それは、『ホジュン』がイ・ビョンフン監督の手によって、これまでの時代劇の常識と大きく異なる作品になっていたことだ。
従来の時代劇の視聴者層の中心は４０歳以上の中高年。中高生はもちろん、３０代のサラリーマンなども含め、若い視聴者には見向きもされなかった。
そこで、ターゲットを若い視聴者に定め、次のような斬新な手法を導入したのだ。
まず、白と黒だけだった衣装をパステルカラーに変えること。次に、物語の展開をスピーディーにすること。さらに、セリフを時代劇で使われる古語ではなく、現代語に近づけること。そして、劇中の音楽を国楽やクラシック、あるいは「ア、ア、ア～」というおどろおどろしい低音のハーモニーから、若者にも受け入れられる現代風の音楽に変えること。
こうした斬新な手法を大胆に導入することで、イ・ビョンフン監督の狙いは見事に的中し、『ホジュン』は空前のヒット作となったのだ。
まさに時代劇のパラダイムを変える作品が生まれたのだ。それは、イ・ビョンフン監督にとっては、出世作という以上に価値ある評価だろう。
最新作『馬医』の全編に織り込まれる美しい映像。その中で繰り広げられるドラマチックな展開。それらすべての原型は、『ホジュン』で生まれたと言っても、決して過言ではない。
最新作『馬医』で感動を覚えたなら、ぜひ『ホジュン』を見てほしい。
そこには人々の心を魅了してやまない韓流時代劇に共通する制作者たちの情熱、俳優たちの魂を感じることができるはずだ。
そして映像からは、歴史を生き抜いた実在の偉人が色鮮やかに語りかけてくる、その言葉が聞こえてくるだろう。（ページ５に続く）
