朝鮮王朝の絶対権力者
朝鮮王朝では嫡男の中で一番の年長者が王位を継承するということが原則ではあったが、この原則がそのまま実現したのは、27人の王の中で7人しかいない。つまり、嫡男の中でも年少者が王になったり、側室が産んだ王子が王になったりする例が多かったということだ。
また、王子同士が骨肉の争いを起こして王位を争ったことが何度もある。それだけ王位継承問題は紛糾することが多かったのだ。
それもそのはずである。王は朝鮮王朝の絶対権力者であり、頂上が高ければ高いほど、それをめざす者たちの争いが熾烈になったのである。
しかも、高官たちも自分が支持する王を擁立して出世をめざし、様々に暗躍することが多かった。
いわば、あまりに王に権力が集中しすぎたために、その座をめぐって争いが深刻化するばかりだった。(ページ3に続く)