現代の視点から過去を描く
タイムスリップを使って時代劇と現代劇をミックスさせた作品がいくつか登場しました。実はこれは、日本のドラマ『LIN-仁-』の影響なのです。あの作品が韓国でも注目され、「なるほど、こういう手法があったか」と、似た設定のドラマが韓国でも制作されるようになりました。
ただし、このパターンのドラマはどうしても企画が似通ってしまい、あまり成果を挙げているとはいえません。あくまで一過性のものであると感じています。
それより、『王女の男』のキム・ミンジョン監督や『太陽を抱く月』のキム・ドフン監督といった、若手・中堅クラスの有能な人たちが韓国時代劇を活性化させているという実感があります。彼らは経歴や業績に関係なく、新しい感覚で時代劇を作り、成果を挙げています。
過去の歴史に忠実に再現されたドラマは、テンポが遅かったり難しいセリフが多くなったりして、現代人はなかなか楽しめません。
その点、現在の韓国時代劇は現代の視点から過去を描くことが制作者たちのコンセンサスになっており、現代に生きる人たちのニーズを満たしているのです。(ページ4に続く)