韓国時代劇の華麗なる系譜(前編)

実在女性の歴史一代記

朝鮮王朝の実録ドラマは相変わらず人気を集め、2001年2月からは『女人天下』の放送が始まった。物語は、まるで『王と妃』の流れをくむかのように、11代王・中宗(チュンジョン)の時代から描いている。この『女人天下』は、国際映画祭で受賞歴のある大物女優のカン・スヨンが主演したこともあり、人気を呼んで最高視聴率が49・9%に達した。
なお、『龍の涙』『王と妃』『女人天下』は、「朝鮮王朝実録」の記述に忠実に作った三部作と言われている。ドラマのナレーション自体が、「朝鮮王朝実録」の記述をそのまま使っているような感じで、脚本家も「朝鮮王朝実録」のハングル版を最大限に活用していた。以上のように、1996年から2002年頃までは、朝鮮王朝の史実に沿った時代劇が人気を集めていたのだが、そんな流れを一変させたのが『宮廷女官 チャングムの誓い』だった。




もともとイ・ビョンフン監督は、『ホジュン』を作っているときに「朝鮮王朝実録」を丹念に調べていて、その中で長今(チャングム)という医女に興味を持った。ただし、彼女に関する記述は簡潔なものばかりで、長今がどんな人間でどんな性格なのかはわからなかった。つまり、普通だったら見過ごすような存在なのだが、イ・ビョンフン監督には独特の勘が働き、彼は「長今を主人公にしたドラマを作ってみよう」と考えた。
ただし、『ホジュン』が医者の話だったので「再び医女の話を作ると似てしまう」と思い、工夫をこらして前半は料理人ということでまったく架空の話を作った。そのうえで、済州島(チェジュド)で医術を学んで王宮に帰ってきて医女としての活躍が始まる、という物語にしたのである。
「朝鮮王朝実録」の記述に忠実なドラマに慣れていた視聴者にとって、『宮廷女官 チャングムの誓い』のように、才覚ある女性が生き生きと宮中で活躍する、という設定は魅力的だった。
結局、このドラマが大ヒットして、以後は歴史的に実在した女性を大胆に脚色したドラマが人気を集めるようになった。「ファン・ジニ」がその典型的な例だ。

韓国時代劇の華麗なる系譜(後編)

徹底解説!なぜ韓国時代劇はこんなに面白いのか(前編)

韓国のドラマはなぜ時代劇がとても多いのか



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