韓国時代劇には数々の魅力的な女性が登場するが、そのなかでも抜群の存在感を放つのが、「朝鮮王朝3大悪女」の1人に数えられる張禧嬪(チャン・ヒビン)だ。“絶世の美女”として歴史書にも記されている彼女は、宮女から側室となり王の子を授かりながらも、最期は死罪となって散る――その経歴は実にドラマ向け。これまでも、彼女をメインにした作品が多く作られているが、その設定は作品ごとに異なっている。これまでの韓国時代劇で張禧嬪がどう描かれてきたのかを見てみよう。
数多くの作品に重要人物として登場
朝鮮王朝時代には王の言動を細かく記した公的な歴史書『朝鮮王朝実録』があるが、張禧嬪はそこに「とても美しい顔をしている」と明確に記されている。つまり彼女は、国家記録に残るほどの絶世の美女だったことは間違いない。
張禧嬪がなぜ、悪女として後世に名を残したのかを端的に書くならば、「嫉妬と独占欲から王(=19代王・粛宗[スクチョン])を惑わせて、国政を大いに乱した」から(詳しくは「朝鮮王朝おもしろ人物列伝」参照)。
王を惑わす傾国の美女。確かに、ドラマの登場人物としては魅力的であり、過去にも多くの作品で、物語の重要人物として登場している。それだけに、張禧嬪役を任される女優には、抜群の美貌と演技力が求められる。
歴代の張禧嬪を演じてきた名女優たちを見てみよう。(ページ2に続く)
粛宗(スクチョン)は張禧嬪(チャン・ヒビン)を死罪にするとき何を語ったか