『雲が描いた月明り』の主人公として、現代の韓国でもすっかり有名になった孝明世子(ヒョミョンセジャ)。彼は23代王・純祖(スンジョ)の長男なのだが、王家にとっては148年ぶりに生まれた「王の正室が産んだ王子」なのである。これだけ長い間、王の正室には息子がいなかったのだ。
「大君」と「君」の違い
朝鮮王朝の王家では、王の正室が産んだ息子と側室が産んだ息子では大きく差を付けていた。
たとえば、王の正室が産んだ王子は「大君(テグン)」と呼ばれ、王の側室が産んだ王子は「君(クン)」と呼ばれた。そういう事実をもってすると、燕山君(ヨンサングン)や光海君(クァンヘグン)が王の側室から生まれていることがよくわかる
朝鮮王朝では、13代目の国王まではすべて大君であった。つまり、王の正室から生まれているのだ。
しかし、14代の宣祖(ソンジョ)は朝鮮王朝で初めて王の側室系から生まれた王子だった。宣祖はそのことを大変コンプレックスに思い、悩んでいたという。それほど、王の正室から生まれるか、側室から生まれるかは重みが違った。
しかし、朝鮮王朝の後期になると王の正室からはなかなか王子が生まれなかった。王女はいても、王子がいないという状況が長く続いていた。
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