ドラマが果たした歴史的な役割
確かに孝明世子は若くして世を去った。
しかし、彼の息子が1834年に24代王・憲宗(ホンジョン)として即位したので、孝明世子も草葉の陰で大いに喜んだのではないか。自分が果たせなかったことを息子が実現させたのだから。
とはいえ、やはり孝明世子が王になってどんな政治をするかを見てみたかった。
結局、彼は歴史の中に埋もれてしまったわけだが、それから180年ほどを経て時代劇の主人公として登場して、韓国中に改めてその名が知られるようになった。
しかも、孝明世子ことイ・ヨンを演じたのはパク・ボゴムという長身でハンサムな俳優だった。それだけで孝明世子のイメージはアップするだろう。
しかも、ドラマで描かれた姿も凛々しくて、堂々たる世子であった。
歴史に埋もれていた医女のチャングム(長今)が、『宮廷女官 チャングムの誓い』で現代に甦ったのと同様に、孝明世子も韓国で知らない人がいないほど、その名が知られるようになった。
そういう意味でも、『雲が描いた月明り』が歴史的に果たした役割は大きい。
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