「朝鮮王朝三大悪女」の中で誰が一番の悪女か?

国を乱した悪女は?

世間的には張禧嬪が一番の悪女と思われているが、彼女は一介の女官から王妃まで上り詰めたので周囲にかなり妬まれた部分がある。人を殺したという事実もなく、それほどの悪女とは到底思えない。
わがままな性格であったかもしれないが、ドラマで過剰に描かれたように極端な悪事を働いたわけではない。むしろ、「朝鮮王朝三大悪女」の1人に入っていることが気の毒なほどである。張禧嬪の場合は、完全に作られた悪女と言えるだろう。




鄭蘭貞は王宮の中で様々な悪事に関わっていたのだが、彼女はあくまでも文定王后の手先であり、一番悪いのは12代王・仁宗(インジョン)の毒殺を図ろうとした文定王后である。その極ワルの文定王后と比べると、鄭蘭貞はいかにも小者(こもの)である。
それでは、張緑水はどうなのか。
彼女は燕山君が暴君になっていく過程で、それをそそのかした面が強く、国家は危機的な状況になってしまった。国の財政が極度に悪化したのも、燕山君と張緑水が贅沢三昧に明け暮れた結果である。
そのために増税となり、庶民の生活は苦しくなった。そういう意味でも、張緑水はひどい悪女である。しかも、そこまで国を乱した張緑水の責任は大きい。
以上の点を考えると、三大悪女の中では張緑水が一番の悪女ではないだろうか。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化・社会や、日韓交流の歴史を描いた著作が多い。主な著書は『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』『朝鮮王朝と現代韓国の悪女列伝』など。

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