視聴者目線で脚本を書ける
現在、韓国放送作家協会が主宰する脚本家養成講座の受講生は、90%以上を女性が占めることも珍しくない。
しかも、男性脚本家は映画のシナリオ作りをめざす場合も多く、ますますテレビドラマは女性脚本家の独壇場になっている。
最近の韓国時代劇は、歴史の中で埋もれていた女性や庶民を主人公にする例が多い。
同時に、恋愛や親子愛をストーリーに組み込むケースもある。このように、繊細な人間関係を描くのであれば、当然ながら、感受性が豊かな女性脚本家が持ち味を十分に生かせるに違いない。
もう一度整理すると、ドラマで女性脚本家の活躍が目立つのは、「徒弟制度が根強く残る脚本家の世界で、無報酬でも修業を続けられるのは圧倒的に女性が多い」「男性脚本家は映画の世界に進む例が多い」「視聴者目線で繊細なストーリーを作るのは女性が有利」といった理由が挙げられる。
韓国ドラマの世界で、優れた女性脚本家が次々に出てくるのは、時代の要請という意味では必然的なことなのかもしれない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)