カギを握るのは朝鮮王朝時代
日本でも韓国の時代劇が人気を集めているが、見る際にどうしてもネックになるのが朝鮮半島の歴史の知識だ。歴史の背景そのものがわからなくて、ストーリーを理解するのに苦労している人も多いだろう。
けれど、韓国の時代劇は基本的に人間の普遍性を描いているので、たとえ歴史の流れがつかめなくても、そのことを気にする必要はない。むしろ、風土や習慣の違いを目で楽しむくらいの軽い気持ちを持ったほうが、韓国の時代劇にすんなり入っていけるだろう。
過去2000年の朝鮮半島は、三国時代→新羅時代→高麗王朝時代→朝鮮王朝時代、と続いてきた。
特に重要なのが朝鮮王朝時代。1392年から1910年まで518年も続いたこの時代は、今の韓国を決定づけた最重要な期間だった。それが証拠に、時代劇の8割以上はこの朝鮮王朝時代を舞台にしている。
この朝鮮王朝時代の特徴は「王を頂点とする中央集権国家」「徹底した儒教社会」「政治は武人でなく文人が仕切っていた」「厳格な身分制度があった」ということ。この4つを常に頭に入れておくと、韓国の時代劇をよく理解できるようになるだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)