キャスティングのマル秘エピソード
『イ・サン』の放送に先がけて、イ・ビョンフン監督はイ・サン役にイ・ソジンをキャスティングした。その理由を次のように語っている。
「イ・ソジンさんのキャスティングを決定する前に、インターネットを通じて、イ・ソジンさんの写真を30枚ほど見ました。30代女性視聴者が好む美男ではありませんが、多くの変化を見せることができる顔だと思いました。話数の多いドラマでは、俳優の演技がいくら良くても、同じ俳優の顔では視聴者が退屈に感じてしまうので、イ・ソジンさんが適役だと思いました」
さすが時代劇の巨匠と呼ばれるイ・ビョンフン監督である。彼の言う通り、全77話もある『イ・サン』の中で、イ・ソジンは様々な表情を見せて、視聴者を決して飽きさせることがなかった。
さらに同監督は、ヒロインであるソン・ソンヨンのキャスティングでは、史実で正祖の深い寵愛を受けたことを考えて、華麗で妖艶なイメージよりも、きれいで純粋なイメージの女優を選んだと語っている。
そこで白羽の矢が立ったのがハン・ジミンである。イ・ビョンフン監督は放送に先がけて、彼女を選んだ理由をこう話している。
「私が知っている20代女性たちに尋ねたところ、純粋できれいなイメージの女優と言うと、ハン・ジミンさんが最も人気が高かったのです。ですから、ハン・ジミンさんのキャスティングで、ドラマの主な視聴層である30代以上の女性たちの愛をどれだけ引き出せるかが、ドラマ成功のカギとなります」
ハン・ジミンが演じたソン・ソンヨンは、正祖への愛を一途に貫く姿が健気だと大評判だった。
韓国だけでなく、日本でも大人気の『イ・サン』。韓国時代劇ファンにオススメしたい名作である。(ページ3に続く)
朝鮮王朝実録を読む4/「正祖毒殺疑惑」
英祖(ヨンジョ)と正祖(チョンジョ)!激動の朝鮮王朝史8