- 2017-8-29
- 韓国時代劇紹介
三者三様の思惑
『根の深い木』は俳優の熱演だけでなく、緻密に書かれたシナリオも高く評価された。『宮廷女官チャングムの誓い』のキム・ヨンヒョン、映画『高地戦』のパク・サンヨン。人気の高い脚本家同士がタッグを組んだことは、大きな話題となった。
両作家はドラマ化に際し、原作との違いを出すことに苦心したという。パク・サンヨンは、原作では比重の少なかった世宗の比率を高めるよう意識し、キム・ヨンヒョンは謎の組織 “密本(ミルボン)”を登場させた。
2人が注力した部分により、原作の面白さは何倍にも高められている。特に密本のアイデアは秀逸であり、『根の深い木』を語る上で、重要なキーワードとなった。
密本は朝鮮王朝建国の功臣・鄭道伝(チョン・ドジョン)の理念を掲げる秘密結社であり、正しい官僚政治を望んで朝廷内で暗躍し続けていた。そのため、民が簡単に使えるようになるハングルの存在を許容することができず、ハングル創設に関わる人物たちを次々に殺していく。
ハングルを作るために尽力する世宗と事件を追うチェユン。世宗のハングル創製を阻止したい密本。三者三様の思いは、物語をよりスリリングに彩っていく。
朝鮮王朝の公的な歴史書「朝鮮王朝実録」にも記されていないハングル創設を新たな解釈で描いた『根の深い木』。シナリオ、演出、俳優たちの熱演など、すべてが高いレベルで調和されている名作だ。(ページ4に続く)
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