朝鮮王朝の初代王物語(中編)

 

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王命にさからう決意

李成桂(イ・ソンゲ)は、10万の大軍を率いて遼東の地を制圧しに向かった。
しかし、李成桂の懸念通り、連日の雨で兵士たちの間に伝染病が流行した。そのため、高麗の軍勢は鴨緑江(アンノッカン)の中流にある威化島(ウィファド)にて留まらざるをえなくなった。
その間も兵たちの士気の低下は著しかった。
こうした状況を憂いた李成桂は、高麗王へ兵を引き返す許可を求めるが、一度下された命令が覆ることはなかった。




李成桂は憤りを隠せなかった。
「国を思う私の忠告も聞かず、ろくに戦況も把握できずに兵を死なそうとする者を、私は王として仰がなければならないのか……。将である私1人が死ぬ分には構わないが、不甲斐ない私のためにこれ以上兵を殺すわけにはいかない」
葛藤の結果、李成桂は威化島にて全軍を引き返す決意をした。この決断をしたことで、李成桂は王名に逆らった反逆者として処罰されるしかなかった。しかし、彼は降りかかる困難をただ見ているだけの男ではなかった。
「この高麗に平穏な秩序を設けよう」
李成桂は断固たる決意を胸に秘め、都へと軍を引き返した。(ページ2に続く)

朝鮮王朝の初代王物語(後編)

朝鮮王朝の国王はどんな存在だった?

朝鮮王朝の後期になぜ王の子供が減ったのか



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