時代劇『赤い袖先』の根底に流れているのは、身分の壁を越えた純愛である。国家の重責を背負う王室の青年と宮廷の片隅で働く一介の女官。『赤い袖先』は2人が織りなす普遍的で尊い愛情の物語だ。その深い精神的な結びつきを、極めて叙情的に描き出している。やはり、この作品の完成度は群を抜いている。

画像=MBC
画面の隅々から伝わってくるのは、非常に研ぎ澄まされた美意識である。一瞬の場面にも妥協を許さない、洗練を極めた映像美は驚嘆に値する。これほどまでのクオリティを実現できたのは、現場を力強く率いたチョン・ジイン監督の卓越した手腕があってこそだ。それに加えて、カメラを回す撮影監督と光を操る照明監督との息の合った連携も見逃せない。両者の見事なコラボレーションが、極上の映像空間を創り上げたのだ。
そして、物語に命を吹き込む配役の妙について言及しておきたい。イ・ジュノとイ・セヨンという2人の主演俳優が魅せた芝居こそが、本作の圧倒的な求心力となっていた。
まず、のちの偉大な君主となるイ・サン役を託されたイ・ジュノについて触れておこう。彼は撮影に臨むにあたり、実際の歴史記録を深く読み込んでいた。史実に基づいた名君の理想像を常に自らの内に描きながら役作りに没頭したという。その真摯なアプローチは、王族としての威厳に満ちた佇まいや説得力のある力強い表現として画面に結実した。
一方、ヒロインのソン・ドギムを演じたイ・セヨンの存在感も圧倒的だ。彼女は幼い頃から数多くの撮影現場を踏んできた生粋の実力派俳優である。物語の舞台となるのは、女性の自由や権利が厳しく制限されていた息苦しい社会だ。そんな過酷な時代にあっても、のびのびとした自我を保ち続ける女官の姿をイ・セヨンは豊かな感情表現で生き生きと演じ切った。
以上の2人が持つ高いポテンシャルは、劇中で何度も訪れる決定的な場面において、見事な化学反応を起こした。激しく感情がぶつかり合う瞬間や静かに互いの愛を確かめ合う情景……そこで生み出された数々の名場面は、まるで宝石のようにいつまでも色褪せない輝きを放っている。
文=「韓国時代劇アンニョン」編集部



















