パク・ボゴムが演じたイ・ヨン(孝明世子〔ヒョミョンセジャ〕)の最期とは?

重大な事実

丁若鏞といえば、朝鮮王朝の後期を代表する思想家で名著が多い。なによりも、漢方薬の知識も凄かった。
『雲が描いた月明り』でも世子が丁若鏞にいろいろと教えを受ける場面が出てくるが、現実の世界で丁若鏞は病床の孝明世子を診察し、重大な事実を知ってしまった。
それは、「孝明世子の命がまもなく尽きる」ということだった。




しかし、丁若鏞は冷静さを保って薬院の人に言った。
「症状に合う薬が私のところにあります。人をやって、すぐに取り寄せなければなりません」
そう言った丁若鏞だったが、彼の家は王宮からあまりに遠かった。薬を取り寄せている間に孝明世子の病状が急変し、5月6日に亡くなった。
なんということか。朝鮮王朝の未来に希望を灯していた孝明世子は、わずか21歳で早世した。
あまりにも惜しまれる「短い人生」だった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

『雲が描いた月明り』についても紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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