『テバク』はいつの時代を描いているのか

朝鮮王朝を揺るがす大事件

史実では、永寿君は捨てられたのではなく、乳児の間に死んでしまっている。名前には「永寿」という長寿を連想させる漢字が入っているのに、実際にはあまりに短命だったのである。
よって、テギルは架空の人物だ。




しかし、「実は生きていた」という『テバク』の設定は面白い。実際、そういう設定がストーリーを大きく動かしていた。
特に『テバク』で中心的に描かれていたのは1713年から10数年だが、この中で存在感を放っていたのが、チョン・グァンリョルが演じていた李麟佐(イ・インジャ)であった。
この人物は、英祖が即位した4年後の1728年に政府転覆をはかって反乱を起こした。これは当時の朝鮮王朝を揺るがす大事件だった。
しかし、それ以前の李麟佐の足跡は謎に包まれている。
それにもかかわらず、『テバク』では李麟佐を最初からどんどん登場させている。間違いなく彼こそが『テバク』を大きく動かすキーマンである。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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