チョ・スンウ主演!韓国時代劇で初の獣医を描いた『馬医』

巨匠ならではの演出の冴え

朝鮮王朝時代にはいわゆる腫瘍で命を落とす人が実に多く、その災厄は王族や両班も避けることはできなかった。
やがてクァンヒョンは王朝時代で初の外科手術を試みることになる。生命に生まれの貴賎は関係がないこと、医学全般に対する情熱の大切さ、そしてフレキシブルな発想と機転の重要性など、およそ医師に求められる資質をすべて兼ね備えた感のある、クァンヒョンならではの発想と言える。




多くの功績が認められ、やがて御医にまで上りつめたクァンヒョンだが、ただ漫然と椅子に座り患者を待つのではなく、自ら進んで往診に汗を流すところなど、「現代にもこんなお医者さんがいたら……」と思わせてくれる。
本作で数多く登場し、また物語のキーとなっているのが、鍼による治療である。
この場面を自然なものとするために、撮影に入る前、イ・ビョンフン監督と主要キャストが医療施設で鍼治療の特訓を受けるなど入念な準備を行なっている。
さらにドラマ冒頭の牧場シーンでは、100カ所あまりの撮影候補地をロケハンし、実際の撮影では同じく100頭前後の馬の群れを小型ヘリコプターを使って撮るなど、実に斬新な手法を取り入れている。
画面に真実味を与えるための下ごしらえ、そして視覚的効果のために惜しまない手間。イ・ビョンフン監督が巨匠といわれる理由は、以上のことからも明らかだろう。(ページ3に続く)

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